報恩講 参拝者 倍増計画 悪戦苦闘記   2011.11

 31で寺に帰って28年、住職になって22年、前住職が亡くなって11年。
 スキーで、なだらかな林間コースから中級者コースへ、そしていきなり超急斜面の上級者コースへと迷い込んだ感じだった。滑っているのか、転げ落ちているのかわからんまま、とにかく周りを見る暇もないままに、数えで60歳になろうとしている。

 ところが、ところがだ、ここで何かおかしいと気づいた。去年と比べて、3年前と比べてもどう変わったわけではない。しかし、700回御遠忌があった50年前と比べると格段に違っていたのだ。 何が? 報恩講参拝者の人数がだ。微減、微減を繰り返しているので、実感として感じなかった。ところが、50年前の記憶をたどると、まるで違うのだ。

 前の本堂は、暖房効果をあげるために、内陣側以外の三方を廊下があって、内側に障子戸が入っていた。(新しい本堂もそういう構造にした) 保育園児のころ、報恩講の法話が始まっていて、母のいる本堂の障子戸を開けると人の背中があって入れない。その隣も、その隣もお参りの方の背中がじゃまして入れない。とうとう一番内陣寄りの戸を開けて、やっと堂内に入れてもらったという記憶がある。それだけ満堂だった。
 
 いまはどうか。 どこから入っても、どこに座ってもOKというくらいに、ガラガラになっているではないか! 
よく考えると、寺の行事や組の研修会、三条別院や京都まで、必ず出席してくれた人たちが、確実に減少している。いわば前住職の遺産といえる人たちだ。 
 その代わりの人たちはいるというものの、同数ではない。1歩進んで2歩下がる、2歩進んで4歩下がるといった具合だ。

 これは大変なことだと気づいた。何とかしなければならない。11月17日、18日の報恩講の2ヵ月前から考えた(主に月忌参りの読経中に)。ここで何か手を打たないと、また1年先延ばしになってしまう。何しなければ・・・。 そこで思いついたのが、営業マンなら基本中の基本の「ダイレクトメール作戦」と、「ささやき作戦」。 しかも、目標は高く、『報恩講参拝者倍増計画』だ。


【 ダイレクトメール作戦 】
 1、寺報で、全門徒と所属外の門徒さんに案内が届いているが、なんとか記事は読んでくれるものの、変わり映えのしない案内の最終頁はどうやら目に入らないらしい。
  そこで、いまだ報恩講に参拝したことがない個人宛に、重ねて封書を出すことにした。その個人とは・・・

 @、帰敬式を受式した方
 A、縁あって、新たに真宗門徒になった方 (いわゆる新檀家)
 B、寺報の、『私も正信偈を読んでます』のインタビューの応じてくださった方
 C、勤めのある同朋会員(メーンの報恩講が平日なので、初夜勤行と法話の誘い)
     もちろん、お月参りの際には、「是非、あなたに来ていただきたい・・・」と、ウルウル目でお誘いすることも
     忘れない。

 4種類、文面を変え、合計、約100名の方にラブレターを出した。「あなたに是非お参りに来ていただきたい・・・」と、願いを込めて。


【パンフレット作戦】 
 2
、もうひとつ、大事な文書を添えた。 『初めての報恩講 Q あんどA 』だ。
   後述の「ささやき作戦」でも言えるが、案内を見たときに、多少興味があっても、ブレーキがかかってしまうのは、思い切って尋ねてみれば、意外な理由からだった。それは、どんなことが行われるのか。どんな格好で行けばよいのか。何をもっていけばよいのか。 どこから入ればよいのか・・・・。という案外単純なことだった。 
 笑い事ではない、現実のことだ。 
「アンタ、いい歳して何も知らないんだね」 といわれるかもしれないということが、ひとつのネックになっているということがわかった。 だから、「どうすればいいの?」という問いに答える形の「ガイドブック」を添えた。


【 役員会では・・・ 】
 3、
定例の予算審議の役員会を、報恩講の3週間前に開催し、その折に報恩講の具体的な仕事を決めてお手伝いをお願いした。この5,6年は、退職した役員ばかりが手伝ってくれたものの、気が付けば、現職の役員の参加がほとんどなくなってしまったのだ。
 20名の役員の内、会社員以外の8名に的をしぼって、受付、堂内係、賽銭方、おとき係の、4係×2名=8名のお手伝いがなければどうにもなりませんと訴えた。(実によくお仕事をこなしてくださいました)


【姉にも・・・】
 、「オレは結婚以来、30年も女房の実家(石川)の報恩講の手伝いに行って、「ムコ勤め」してるけど、そちらのおムコさんは、40年来、1回も来たことないね」と言った。
 さすが、お姉さまは初めて実家の報恩講にお参りされました。(エライ!)


【課題の両隣を・・・】
 、遠い人より、寺の両隣の人を誘うのは意外と難しい。日常の生活が見えるからだ。その両隣のご主人が、初めてそろってお参りしてくれた。次は、その隣という目標ができた。


【結果は?】
 、例年30数人の参拝者が、一応倍増の70人台。お勤めの方がお参りするお初夜は20数人で、お手伝いの方々と喜んだものの、よーく考えれば、来年からがもっと大変。人口減で、今回より1名増やせるかどころか、1名でも減らさないでいられるか頑張らなくてはならないという情けなさだ。

 
   (・・・続・・)      この年の報恩講の様子です。