「伝道掲示」集

【2002年】

 鬼は外福は内、自分の都合が豆をまく






いのちが一番大切だと思っていたとき
生きるのが苦しかった。
いのちより大切なものがあると知った日
生きていることが嬉しくなった。
            (星野富弘)






幸福は作るものではない。いただくものだ
               (堂徹正)





人間が生きているのは
他の莫大な数の命のおかげです。
他の命を食べて生きているのです。
今日、その仕組みが見えません。
だから、死んでくれる命に心が痛みません。
        (サックス奏者 坂田 明)






 動物と人間の違いの根底にあるものは、
 死の観念であり、
 それが人間を精神存在にしている
              (ハイデッガー)






 豊かな社会というものは、
 死ぬときに豊かな心で死ねる社会だ
        (ジャーナリスト 千葉敦子)






苦の娑婆や桜が咲けば咲いたとて (一茶)






生きている不思議
死んでいく不思議
花も風も街もみんな同じ
    (映画「千と千尋の神隠し」より)







 子供への一首

どのような道を
どのように歩くとも
いのちいっぱい
生きればいいぞ
          (みつを)






三歳の童児もこれを知るといえど
八十の老翁もなお行うこと難し






人間にとって一番悲惨なことは
貧しさでもないし、病でもない。
すべての人々から自分は見放されている
自分はいらない人間だと感ずることなんだ
            (マザーテレサ)





 一本の鉛筆

一本の鉛筆があれば
八月六日の朝と書く。
一本の鉛筆があれば
人間のいのちと私は書く
    (広島平和音楽祭 美空ひばり歌)





どんなに賢くっても
人間自分の背中を
見ることはできないんだからね
      (山本周五郎小説『さぶ』より)








 木

お花がちって、実がうれて
その実が落ちて
それから芽が出て花が咲く。

そうして何べんまわったら
この木はご用がすむかしら。
          (金子みすゞ童謡集)






 仕合せとは
 仕合せだということに
 気づかない状態だ
        山本周五郎小説【桃の井戸】








 あの、ご住職にうかがいますが
 今日のお経は
 どういう意味で
 時間はどのくらいかかりますか?
         永 六輔「二度目の大往生」







猿は猿を殺さない
人間は人間を殺す
だから人間の台頭を警戒するのだ

 (1968年アメリカ映画「猿の惑星」より)








「蓮とニワトリ」

泥の中から蓮が咲く
それは蓮のせいじゃない
卵の中からトリが出る
それも卵のせいじゃない
そのことに私は気がついた
それも私のせいじゃない

                       【金子みすゞ】

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